
ウサギさんの手術の基本スタイルです。
万歳してウルトラマンみたいなカッコになってしまいます。

犬・猫・フェレットと同様に、気管挿管による呼吸管理及び血管を確保しての静脈点滴は必須です。
他の動物よりは気管挿管はやや難しいですが、
安全なウサギの麻酔のためには重要な要素となります。


まずは避妊手術。右側が摘出した卵巣・子宮です。
ウサギは子宮癌の発生が多く、卵巣・子宮摘出のみがその予防方法となります。


次に膀胱結石摘出手術。
ウサギは膀胱壁が薄いんで、縫合がいつも不安です。









フクロモモンガの脚の切断手術です。
フクロモモンガは隠れるのが大好きです。
とにかく何かにもぐります。
この子はどうも潜っていた袋に脚を引っかけてしまったようで、それを気にしてかじり、
完全に脚が骨だけになってしまいました。
こんな感じで、左後肢が完全に骨だけになってしまっています。
この子達は自分をかじってしまうことが往々にしてあります。
手術のポイントもそこにあります。
いかにかじられない手術を行えるか、いかにかじられても大丈夫な手術をするか、
手術の成否はすべてそこにかかっています。
麻酔はこんな感じ。
鎮静・鎮痛後に、ガス麻酔で維持をします。
気管内挿管を行わない点を除いては、ほとんど犬・猫と同じ麻酔です。


すっきり。
多少なめられても大丈夫に縫ってあります。
門脈体循環シャント(猫)
先天的な血管異常により、本来肝臓を経由して全身にめぐる血液が、異常血管の存在により肝臓を経由せずに全身にめぐってしまうことにより発現する病態。
本来肝臓が解毒する毒物が全身にめぐることによる中毒症状や、肝臓の血液循環が阻害されることによる肝機能障害などによって、様々な症状を呈します。
この病気は比較的犬に多く、猫では少ないです。
治療はごく単純、通常1本存在する異常血管を縛るだけです。
が、これが大変。
血管は様々な部位にあり、また縛ることによって血液循環が変化するため、術中あるいは術後の合併症にかなり注意しなければいけない病気です。
まずは術前のCT撮影
これによって異常血管の存在を確認=門脈体循環シャントの確定診断を行ない、
また、手術計画を練ります。
この子は左結腸静脈が、左腎静脈を介して大静脈に合流する、まれなタイプの門脈シャントでした。
で、おなかを開けて、予定通りのところにシャント血管を確認。
真ん中の太いのが異常血管(シャント血管)です。
次に門脈圧測定。
これがこの手術の肝です。
シャント血管を縛ると、今まで肝臓に行かなかった血が全て肝臓に向かいます。
その結果、門脈(肝臓に向かう血液)の血圧が上昇し、一定以上上昇すると様々な合併症を呈します。
ですので、必ず門脈の血圧を測定し、過剰に血圧が上がってしまわないか、確認してシャント血管の結紮方法を決定します。

この子はシャント血管の結紮前の門脈圧が7mmHg、仮結紮後が12mmHg
1回の手術で完全結紮が可能な門脈圧です。
で、血管を結紮して手術終了。
終わったの?
終わったよ!!!



短頭種症候群。
その名の通り、短頭種であるパグやフレンチブルドッグなどの顔の短い犬種に発生する疾患です。
鼻や軟口蓋、咽頭などが狭く、空気の通過に抵抗を生じ、その結果として気管虚脱や消化器疾患など様々な合併症を併発する疾患です。
この疾患に対する治療として、長くなった軟膏蓋を切除したり、狭い鼻を広く整形したりします。
この長い軟口蓋が空気の通過を妨げ、ガーガーと息苦しそうな呼吸を招きます。
余分な軟口蓋を切除して縫います。
切除した軟口蓋です。
この手術の注意点は何と言っても麻酔です。
麻酔覚醒時に呼吸困難となることがありますので、完全に麻酔から覚醒するまで、一時も目を離せません。
短頭種症候群に対しての手術は、2歳くらいまでなら安全に、簡単にでき、且つ手術後の改善もよいです。
まだ二次的合併症が少ないので。
中-高齢になり、重篤な呼吸困難を発現した後での手術は、危険を伴いますし、手術後の改善もあまり見込めません。
呼吸が苦しそうな、呼吸音の大きい短頭種は、重症化する前の手術を推奨します。
カメの嘴過長。
過剰に伸びてしまった嘴を削って、正常に近い形に整復します。
上顎の嘴が伸びてしまっています。
原因は様々ですが、栄養の不均衡に起因することが多いので、
食事内容、紫外線照射などには気を使っておきましょう。
こんな感じで削ります。
通常は麻酔は必要ありません。ちょっとの間我慢してもらっちゃいます。
肛門周囲腺腫
基本的には去勢をしていない雄犬に発生する良性の腫瘍です。
肛門周囲の無毛部位に存在する腺組織に発生するのですが、
この組織は肛門周囲だけではなく腹部や包皮、はたまた頭部にまで分布しており、肛門周囲腺腫と名付けられていながら、いろんな部位に発生します。
また、男性ホルモンに感受性を持つ腺組織に発生するのですが、去勢をした雄犬や雌犬にも発生は見られます。
小さな腫瘍で、未去勢の雄犬に発生した場合には、去勢手術のみでも治療として十分です。
注意点は、悪性である肛門周囲腺癌や肛門周囲腺上皮腫の場合には、早期摘出が必要ですので、術前の検査などでそこら辺を判断してから手術に入ります。
今回の症例は雌犬での発生ですので、摘出します。
肛門の腫瘍摘出後は吸収される縫合糸を用いて皮内縫合します。
雌犬で肛門周囲腫瘍が発生した場合は多くが悪性です。
が、この症例は良性でしたので、これで治療終了です。
フェレットの毛玉症
この症例は結構多いです。
主に食欲不振、そして嘔吐を主訴として来院されます。
CT撮影すると、胃内にしっかりと毛玉が映ります。
症状を呈している、大きな毛玉は内科療法ではどうすることもできません。
小さな毛玉の場合には、つるっと流れてウンチに出てくることもありますが。
おなかを開けると、胃内に毛玉が充満しているのがわかります。
こんな感じで、胃を切開して、毛玉をずるずるっと取り出します。
取り出した毛玉はこんなのです。
そのまんま、フェレットの胃の形になっています。
今後再発しないよう、毛玉除去剤を定期的に投薬していただきます。