猫の門脈体循環シャント

門脈体循環シャント(猫)

先天的な血管異常により、本来肝臓を経由して全身にめぐる血液が、異常血管の存在により肝臓を経由せずに全身にめぐってしまうことにより発現する病態。
本来肝臓が解毒する毒物が全身にめぐることによる中毒症状や、肝臓の血液循環が阻害されることによる肝機能障害などによって、様々な症状を呈します。

この病気は比較的犬に多く、猫では少ないです。

治療はごく単純、通常1本存在する異常血管を縛るだけです。
が、これが大変。
血管は様々な部位にあり、また縛ることによって血液循環が変化するため、術中あるいは術後の合併症にかなり注意しなければいけない病気です。



まずは術前のCT撮影
これによって異常血管の存在を確認=門脈体循環シャントの確定診断を行ない、
また、手術計画を練ります。
この子は左結腸静脈が、左腎静脈を介して大静脈に合流する、まれなタイプの門脈シャントでした。



で、おなかを開けて、予定通りのところにシャント血管を確認。
真ん中の太いのが異常血管(シャント血管)です。






次に門脈圧測定
これがこの手術の肝です。
シャント血管を縛ると、今まで肝臓に行かなかった血が全て肝臓に向かいます。
その結果、門脈(肝臓に向かう血液)の血圧が上昇し、一定以上上昇すると様々な合併症を呈します。
ですので、必ず門脈の血圧を測定し、過剰に血圧が上がってしまわないか、確認してシャント血管の結紮方法を決定します。




この子はシャント血管の結紮前の門脈圧が7mmHg、仮結紮後が12mmHg
1回の手術で完全結紮が可能な門脈圧です。




で、血管を結紮して手術終了。




終わったの?
終わったよ!!!


 ファミリー動物病院 
 千葉県流山市鰭ヶ崎4-10
 
http://www.family-ah.com




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